お盆のいろは

もうすぐお盆ですね。

お盆についてお話したいと思います。

『お盆の仏教的意味』

●盂蘭盆会

仏教行事としてのお盆は、盂蘭盆教(うらぼんきょう)に基づくもので、盂蘭盆教の中の親孝行の大切さを説いた

教えがお盆の始まりといわれています。

お釈迦様の弟子であった目連尊者が、7月15日に多くの僧侶たちに供物を施し供養することによって

餓鬼道に落ちて苦しんでいる母親を救い出すことができたという言い伝えによります。

以来、旧暦7月15日は、故人や先祖に報恩感謝をささげ、供養をつむ重要な日になったのです。

●お盆の歴史

わが国では、推古天皇の14年7月15日(606年)に、斎会を設けたのがはじめてのお盆の行事と伝えられています。

斎明天皇の3年7月15日(657年)には、飛鳥寺で盂蘭盆会が催されたとあります。

また、日本各地で行われているお盆の行事は、古くからの農耕儀礼や祖霊信仰などが融合して伝わった風習が多く

地域や宗派によってさまざまな違いがあります。

その意味では、これが絶対正しいお盆の迎え方という決まりはありませんが

一般の家庭では家族や親戚が集まり、今の自分があるのは先祖のおかげと感謝供養する行事として行われています。

 

『お盆の豆知識』

●キュウリの馬・ナスの牛

お盆の時に、キュウリの馬とナスの牛を供えることがあります。

これは先祖の霊が、馬に乗って一刻も早くこの世に帰り

牛に乗ってゆっくりあの世へ戻って行くようにとの願いを込めたものといわれています。

真菰(まこも)で作られた馬と牛を供える場合も多いです。

また、先祖の霊がキュウリの馬に乗り、牛には荷物を乗せて楽に帰れるように

という意味が込められているともいわれています。

●真菰の敷物

お盆の精霊棚には真菰(まこも)のゴザが敷かれます。

真菰は古事記や日本書記などにも登場する薬用成分を含んだ植物で

お釈迦様は真菰の敷物に病人を寝かせ治療したといわれます。

仏事に限らず、神事でも使われる真菰は、宗教性の高い敷物なのです。

●ほおづき

精霊棚や仏壇の前に、ほおづきを下げる地域があります。

ほおづきは鬼灯とも書かれ、死者の提灯であるともいわれています。

●精霊流し

精霊(しょうりょう)流しは、お盆のお供え物を積んだ精霊舟を海や川に流す行事で、主に8月16日に行われます。

また、灯篭を流す、灯篭流しをする地域もあり、これらは送り火の一種となります。

●盆おどり

最近では宗教的な色合いは薄れてきましたが、元来盆踊りは、お盆に帰ってきた故人や先祖の霊を慰め

無事に送り出すための宗教的な行事でした。

また、帰ってきた霊が供養のおかげで成仏できた喜びを、踊りで表現しているともいわれています。

●中元とお盆

中国では、旧暦1月15日の上元節、旧暦7月15日の中元節、旧暦10月15日の下元節の三元行事があります。

中元は半年の無事を祝い、先祖に感謝する日となっています。

日本に伝わった中元は夏の贈答行事となりましたが、そこには贈り主と贈り先が先祖の代から続くものとし

感謝する気持ちが込められています。

●お盆の藪入り

藪入り(やぶいり)とは、正月とお盆に、奉公人が主人から休暇をもらって実家に帰る事ができる期間をいいました。

●釜蓋朔日

お盆月の1日を釜蓋朔日(かまぶたついたち)といい、地獄の釜の蓋が開く日であり

先祖の霊が冥土からそれぞれの家に旅立つといわれています。

一般的に1日からお盆といわれ、この日から先祖の霊を迎える準備をはじめます。

●盆花

盆花(ぼんばな)とは、精霊棚に飾る花いい、生花と造花があります。

生花では桔梗、撫子(なでしこ)など秋の花が主になります。

 

 

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